スタッフブログ
赤外線カメラで雨漏り・漏水調査|見えない水の侵入を「温度」で見つける方法
2026年09月04日(金)
雨漏りは「目で見える場所」から水が入っているとは限りません
「天井にシミができている」
「壁紙が剥がれてきた」
「雨が降ると室内が濡れる」
このような症状があると、雨漏りを疑います。
しかし、雨漏り調査で難しいのが、実際に雨水が侵入している場所と、室内に症状が現れている場所が一致しないケースがあることです。
屋根や外壁から侵入した雨水が、建物内部の構造材や断熱材などを伝って移動し、離れた場所にシミや水滴として現れることがあります。
そこで株式会社マンセルでは、目視による確認だけでなく、赤外線カメラ(赤外線サーモグラフィ)を使用した調査を行っています。
赤外線カメラでなぜ雨漏りが分かるの?
赤外線カメラは、通常のカメラのように「色」や「形」を撮影するのではなく、物体表面から放射される赤外線を利用して表面温度の分布を画像として可視化します。
雨水が建物内部に侵入すると、周囲の正常な部分とは異なる熱の伝わり方をすることがあります。
その結果、
正常な部分と水分の影響を受けた部分で温度差が生じる
↓
赤外線カメラで温度分布の違いを確認する
↓
雨水の侵入が疑われる範囲を絞り込む
という調査が可能になります。
つまり、普段は目で見ることのできない建物内部の状態を、「温度の違い」という情報から推測するのが赤外線調査です。
赤外線サーモグラフィは、建物や構造物の内部状態を直接壊さずに調べる非破壊検査の手法として利用されています。
実際の赤外線カメラ画像をご紹介します
今回の調査で撮影した画像がこちらです。
今回の画像では、建物の表面が赤・オレンジ・ピンクなど、さまざまな色で表示されています。
これは単なる色の違いではなく、場所によって表面温度が異なっていることを示しています。
画像上では、
- 測定点①:約30.3℃
- 測定点②:約29.8℃
- 別の測定点:約31.2℃
となっています。
①と②を比較すると約**0.5℃**の温度差があります。
このような温度差や温度分布の変化を確認しながら、周辺の状態や建物の構造を照らし合わせて、異常が疑われる箇所を探していきます。
「温度が低い=雨漏り」ではありません
ここは赤外線調査で非常に重要なポイントです。
赤外線画像では、温度の低い部分が青や紫、温度の高い部分が赤やオレンジなどで表示されることがあります。
そのため、
「紫色だから水がある」
「温度が低いから雨漏りしている」
と単純に判断することはできません。
建物表面の温度は、
- 日射
- 外気温
- 風
- 湿度
- 建物の材質
- 壁の厚さ
- 断熱材
- 下地
- 表面の状態
- 周囲からの熱の影響
- 赤外線カメラの放射率設定
など、さまざまな条件によって変化します。
実際に建物の赤外線調査では、外気温や日射、風、熱特性、放射率などの条件を考慮する必要があることが研究でも示されています。
そのため、赤外線画像だけを見て判断するのではなく、建物そのものを確認することが重要です。
赤外線カメラを使った雨漏り調査の流れ
① まずは目視調査
最初から赤外線カメラだけを見るのではありません。
まず建物全体を確認します。
例えば、
- 天井の雨染み
- 壁紙の変色
- クロスの剥がれ
- 塗装の膨れ
- カビ
- 外壁のひび割れ
- シーリングの劣化
- 屋根材の状態
- ベランダ・バルコニー
- サッシ周辺
などを確認します。
目視調査によって「どこから水が入っている可能性があるのか」という仮説を立てます。
② 赤外線カメラで温度分布を確認
次に赤外線カメラで対象箇所を撮影します。
通常の写真では、
「壁が濡れているかどうか分からない」
という場合でも、赤外線画像では周辺との温度分布の違いが見つかることがあります。
特に、周囲と連続性のない温度変化や特徴的な温度パターンがないかを確認します。
③ 複数の場所・角度から確認
1枚の画像だけで判断するのではなく、周辺を広く撮影します。
同じ場所でも、
- 少し離れた場所
- 違う角度
- 周辺部分
- 建物の別面
などを比較することで、温度分布の特徴が分かりやすくなります。
赤外線調査では、背景からの反射などが測定精度に影響する場合もあるため、撮影条件を考慮する必要があります。
雨漏り調査で赤外線カメラを使うメリット
① 壁や天井を壊さずに調査できる
赤外線サーモグラフィは、建物を直接壊すことなく表面の温度分布を確認できます。
そのため、最初から壁や天井を開口するのではなく、異常が疑われる場所を絞り込むための調査として活用できます。
② 広い範囲を短時間で確認できる
目視だけでは、一つひとつの場所を確認する必要があります。
赤外線カメラなら、広い範囲を一度に撮影し、温度分布を確認できます。
外壁や屋根など、目視だけでは確認しにくい場所の調査にも活用できます。
③ 人の目では分かりにくい温度差を確認できる
赤外線カメラの大きな特徴は、肉眼では見えない温度の違いを画像として確認できることです。
建物の状態によっては、非常に小さな温度差が重要な判断材料になることもあります。
ただし、どの程度の温度差を異常と判断できるかは、建物や撮影条件によって異なるため、温度の数字だけで判断しないことが重要です。
赤外線調査と散水調査を組み合わせることもあります
雨漏り調査では、原因箇所を特定するために散水調査を行う場合があります。
これは、実際に水をかけて雨水の侵入を再現し、
「どこから水が入るのか」
「どの経路を通って室内に到達するのか」
を確認する方法です。
赤外線調査で「異常が疑われる場所」を絞り込み、必要に応じて散水調査などを組み合わせることで、より原因を追究しやすくなります。
赤外線カメラだけでは分からないこともあります
赤外線カメラは非常に便利な調査機器ですが、万能ではありません。
例えば、
- 雨漏りが発生してから時間が経っている
- 水分量が少ない
- 外気温と建物表面の温度差が小さい
- 日射条件が適していない
- 建物の構造上、温度差が表面に現れにくい
といった場合には、赤外線画像だけでは判断が難しいことがあります。
また、赤外線画像に現れる温度差は、水分以外の原因によって発生する場合もあります。
そのため、赤外線調査=雨漏り箇所を自動的に発見する検査ではありません。
目視、建物の構造、雨の降り方、過去の漏水状況などを総合的に判断することが重要です。
「雨漏りしているけど、どこから入っているか分からない」方へ
雨漏りで最も困るのは、
「水が出ている場所は分かる。でも、原因が分からない」
というケースです。
例えば、2階の天井に雨染みがあったとしても、真上の屋根だけが原因とは限りません。
屋根、外壁、サッシ、ベランダ、防水層、シーリングなど、さまざまな場所から侵入した雨水が建物内部を移動している可能性があります。
だからこそ、
「症状が出ている場所」だけを見るのではなく、「水がどこから入って、どこを通ってきたのか」を考えることが重要です。
株式会社マンセルでは、赤外線カメラによる温度分布の確認などを活用しながら、雨漏り・漏水の原因究明を行っています。
まとめ|赤外線カメラは「見えない雨漏り」を探すための重要な調査方法
赤外線カメラによる調査は、
目視では分からない温度分布を可視化することで、雨漏り・漏水が疑われる場所を絞り込むための有効な方法です。
ただし、赤外線画像の色や温度だけで雨漏りを断定するのではなく、
目視調査
+ 赤外線調査
+ 建物の構造確認
+ 必要に応じた散水調査など
を組み合わせて判断することが大切です。
雨漏りは、放置すると内装だけでなく、下地材や木部など建物内部の劣化につながる可能性があります。
「雨が降るとシミが出る」
「どこから水が入っているのか分からない」
「何度修理しても雨漏りが止まらない」
「壁や天井の一部だけ温度がおかしい」
このような症状がありましたら、株式会社マンセルまでお気軽にご相談ください。

人気記事

外壁・基礎巾木のクラック補修|エポキシ樹脂注入工事
こんにちは、株式会社マンセルです。 今回は、建物の外壁や基礎...
お問い合わせはお気軽に!
ご都合にあわせてお問い合わせ方法をお選びください。
[
ピックアップ
]










